こんにちは、代表の西山です。

今日は当社の最終営業日となります。年の瀬に関連した記事にしようと思いましたが、書こう書こうと思って忘れていた、ATOMIC FLOYDというオーディオブランドについて記事にしたいと思います。

ATOMIC FLOYDとは?

2007年、イギリスで衝撃的なデビューを飾ったATOMIC FLOYD(アトミック フロイド)は、それまでの常識をくつがえす音質、性能品質、デザイン、そして耐久性で、またたく間に世界中のオーディオファンをトリコにし、いまでは世界23ヵ国で愛されるまでに成長いたしました。

上記の文章は、ブランド紹介に統一で使用している文章です。ブランドとしては約8年の歴史があり、創設者はジェームズ・ストロングというイギリス人。彼のインタビューは、過去にWIRED.jpにも掲載され、こちらの記事で読むこともできます。記事の中にもあるとおり、もともとはフィリップスにプロダクトデザイナーとして10年ほど務めたあと、フィリップス在籍時には、さまざまな制約の元で実現できなかったプロジェクトを現実にするために、起ち上げたのがATOMIC FLOYDというブランドです。当社では、日本正規代理店として2009年10月から取り扱いを開始し6年間販売を行ってきました。

グッドデザイン賞も受賞した特徴ある製品デザイン

ブランドの最大の特徴は、製品コピーとしても使用されている「MADE IN METAL」という物で、日本語にすると「金属から生まれるもの」という意味合いになるとおり、ケーブルなどを除きイヤホンの主要部分に金属を採用した製品設計です。iPhoneやスマートフォンをお使いの方は、最低1つくらいはイヤホンをお持ちだと思いますが、おそらくそのほとんどは、プラスチックで出来た製品だと思います。プラスチックで製品を作る利点は、加工のしやすさ、そして生産コストが挙げられますが、同時にデメリットとし耐久性が低い点なども挙げられると思います。対して、金属で製品を作る場合は、利点として高い耐久性や製品デザインが挙げられます。デメリットとしては、生産の難しさが挙げられると思います。

最上位機種「SuperDarts Titanium」の1工程だけで90分かかる

信じられないかもしれませんが、本体にチタンを採用した最上位機種モデルでは、ハウジングという耳に入れる本体部分の加工に90分もの時間を費やします。

では、なぜそんな加工に手間のかかる金属を使用するのかといえば、金属を使うことで音作りの面でもメリットが生まれるからなんです。

ハウジングに磨きをかける様子

前述した通り、イヤホンの耳に入れる部分をハウジングと呼ばれています。ハウジングの中には、音を鳴らすためのドライバーという部品が入っています。極々小さなスピーカーが中に入っているのを想像していただくと分かりやすいと思います。ハウジングの役割は、中に組み込まれたドライバーを保護する目的、そして実際に耳に装着した際の装着感を生み出す部分でもあります。

ステンレスモデルには1300℃、10時間焼きこんだ素材を使用

上の写真は、HiDefDrumというモデルを生産している様子を捉えた1枚。ひとつひとつ丁寧に生産されています。プラスチック製のハウジングを使用する場合、ハウジング自体の強度を担保するためにある程度の厚みを設ける必要があります。

成形後の品質チェックの様子

これを金属のハウジングを採用することで、同じ強度を持たせるために、ハウジングを薄く設計できようになります。ハウジングを薄く設計出来るということは、ハウジング内の空間に余裕が生まれ、製品設計の自由度が高くなり、プラスチックハウジングよりもサイズは大きいが良質なドライバーを採用することも出来るのです。

また、内部の空間が広くなることで、独特の音響を生み出す役割もあり、プラスチックハウジングに比べ良質なサウンドを生み出すのにも一役買っています。

次回は、各モデルの特徴などをご紹介していきたいと思います。

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